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第26回AKIHIKOの会 報告


没後26年、アキヒコの継承にむけて
戸田昌子・比留間洋一・高草木光一

― 新世代・気鋭の学者研究者3氏による講演 ―


 今年のAKIHIKOの会は例年より1週間ほど遅い3/27の開催となりました。始めに3月11日に東日本を襲った大地震および大津波で亡くなられた方々のご冥福をお祈りして黙祷を行い、世話人の米沢慧さんの司会で3氏による連続講演、コーヒーブレイクのあと質疑応答という形式で行いました。

 トップは写真史研究の戸田昌子さん。案内では「戦場カメラマンと写真誌の系譜」でしたが、3/11に大震災が起こり、急遽「災害の記憶を継承する-関東大震災の写真アルバムをめぐって」に変更して、1923年の関東大震災を記録した生写真や個人の写真アルバムを事例に、災害の記憶とは、写真にどのようにとどめられ、どのように継承されてゆくのか。また今回の大震災で撮影された圧倒的膨大な資料をどう捉え直すかなど、災害の記憶の伝承について語り、タイムリーな話題を提供した。

 続いて比留間洋一さん。静岡県立大学国際関係学部が今年度(H22)10月より展開している教育プログラムについて。自身もプロジェクトメンバーの1人で、文科省「大学教育推進プログラム」に採択された教育プログラム「フィールドワーク型初年次教育モデルの構築」。比留間さんのゼミでは、「岡村昭彦文庫ミュージアム化プロジェクト」と銘打って、2011年3月14日から22日にかけてベトナム(ソンミ、ホーチミン、ベンチェ)でフィールドワークを実施しましたが、そのホットな成果を報告。いずれ静岡県立大学附属図書館岡村昭彦文庫において展示予定だそうです。

 そして最後の高草木光一さんの演題は「岡村昭彦の一つの読み方-「差別」と「破壊」の歴史観」。高草木さんは2008年、慶応大学経済学部での特別講座『連続講義「いのち」から現代世界を考える』を主宰、「いのちの同時代史」という観点から、戦場からホスピスへと向かった岡村昭彦に着目された経緯があり、最近、第2弾として『一九六〇年代 未来へつづく思想』を発刊したばかりです。今回は、岡村昭彦との出会い-「訪問インタビュー」(NHK、1984年)。岡村の「差別」史観-「世界史のシッポ」を捉まえるまで。「破壊」史観-「神の水」をめぐる闘いについてなど、熱く語りました。

 三者三様で、あらためてアキヒコを啓き、アキヒコを継承する―そんな新鮮で愉しい交流の集いとなりました。出席者は51名、今年は計画停電の影響もあり懇親会は行いませんでした。


日 時 2011年3月27日(日)

 第1部 講 演 会 13:20~16:30
13:30 開会
13:30~13:40 挨拶
13:40~14:25 戸田昌子氏講演 「災害の記憶を継承する
 -関東大震災の写真アルバムをめぐって」
14:25~15:10 比留間洋一氏講演 「岡村昭彦文庫ミュージアム化プロジェクト」
15:10~15:55 高草木光一氏講演 「岡村昭彦の一つの読み方
 -「差別」と「破壊」の歴史観」
16:00~16:30 質疑応答
16:30 閉会


会 場
 日本出版クラブ会館 (〒162-0828 東京都新宿区袋町6番地)電話03-3267-6111
●講師略歴
戸田昌子(とだ・まさこ)
1975年生まれ。99年上智大学文学部新聞学科卒業。06年東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究専攻修士課程修了。ジャーナリズム、印刷技法、書物史などの観点から日本を中心とした写真史の研究活動を行う。06年度日本写真芸術学会奨励賞受賞。 現在、東京綜合写真専門学校、武蔵野美術大学非常勤講師。共著に飯沢耕太郎編『日本の写真家101』(新書館、08年)がある。

比留間洋一(ひるま・よういち)
1972年生まれ。95年大阪外国語大学ベトナム語科卒業。03年京都大学大学院博士課程(文化人類学)単位認定退学。05年より静岡県立大学大学院国際関係学研究科助手、09年助教。担当科目世界の文化遺産等。論文に「静岡県内の大学とベトナム人留学生の受け入れ―グローバル時代の日本留学とその暮らし」(『国際関係・比較文化』2010)ほか。

高草木光一(たかくさぎ・こういち)さん
1956年生まれ。80年慶應義塾大学経済学部卒業。82年同大学院修士課程修了。同大学経済学部助手、同助教授を経て、2001年同教授。担当科目社会思想、現代社会史。著書『「いのち」から現代世界を考える ― 連続講義』(岩波書店2009)ほか。
●第一部講演会の様子
第26回AKIHIKOの会会場司会で挨拶する米沢慧氏
第26回AKIHIKOの会会場司会で挨拶する米沢慧氏
講演する戸田昌子氏講演する戸田昌子氏
講演する戸田昌子氏講演する戸田昌子氏
講演する戸田昌子氏講演風景
講演する戸田昌子氏講演風景
講演する比留間洋一氏講演する比留間洋一氏
講演する比留間洋一氏講演する比留間洋一氏
講演する比留間洋一氏講演風景
講演する比留間洋一氏講演風景
講演する高草木光一氏講演する高草木光一氏
講演する高草木光一氏講演する高草木光一氏
講演する高草木光一氏講演風景
講演する高草木光一氏講演風景
講演風景会場風景
講演風景会場風景
会場風景会場風景
会場風景会場風景
ベトナム戦争研究者オースチン氏感想を述べる東京都写真美術館金子隆一氏
ベトナム戦争研究者オースチン氏感想を述べる東京都写真美術館金子隆一氏
「ナージャの村」映画監督本橋成一氏感想を述べる本橋氏と金子氏
「ナージャの村」映画監督本橋成一氏感想を述べる本橋氏と金子氏
ロシア研究者鈴木博信氏感想を述べる池上正治氏
ロシア研究者鈴木博信氏感想を述べる池上正治氏
感想を述べる稲田雅子氏昭彦の孫佐藤名月(右)と春花さん
感想を述べる稲田雅子氏昭彦の孫佐藤名月(右)と春花さん
小渕美宏さんと岩城桂子さん会場風景
小渕美宏さんと岩城桂子さん会場風景

佐藤純子さんからの手紙

岡村昭彦関連出版物

●『在宅ホスピス物語-死と生に向き合うとき』
(二ノ坂保喜 2011年10月発行 青海社 定価(税込)1890円)
 福岡在住の医師で会員の二ノ坂保喜さんの新著です。
●『「いのちの思想」を掘り起こす』-生命倫理の再生に向けて-
(安藤泰至編 2011年10月13日発行 岩波書店 定価(本体3200円+税))
 この中で高草木光一さんが「岡村昭彦とバイオエシックス」という題で原稿を執筆しています。

2011.7 岡村昭彦の会 会報 NO.21

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