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第24回AKIHIKOの会のご報告

ホスピス医佐藤健さんの講演
「いのちを見つめる、ホスピスの現場にて」

 岡村昭彦の没後24年にして生誕80年にあたる今年のAKIHIKOの会は2009年3月21日(土)東京・神楽坂日本出版クラブ会館にて開催しました。
今回の特別講師は、国立病院機構豊橋医療センター緩和ケア部長の佐藤健氏。かつて岡村昭彦の著書『ホスピスへの遠い道』を頼りにエイケンヘッドの生家の前に立ったというホスピス医です。当日はエイケンヘッドの生家の写真などをスライドで見せてくれました。
 「ホスピスはさいごの時まで精一杯生きぬくところ、ホスピスは患者自身の人生の自己決定を支えるところです。あなたを最後まで見捨てはしません」 外科医としてがん治療に取り組み、ホスピス運動に出会い、ホスピス建設に取り組んでこられた経験に裏付けられた講演は参加者の心にしみる内容でした(詳しくは会報19号で後日ご報告します)。

 佐藤氏の講演に先立ち静岡県立大学国際関係学研究科比留間洋一氏から岡村昭彦が1965年に会見した南ベトナム解放民族戦線副議長フェン・タン・ファット氏のベトナム解放後の消息について報告がありました。彼が民族戦線のリーダーであると共に有名な建築家であったこと、再評価されて祀られていることなど興味深い内容でした。

 佐藤氏が大会会長をつとめる第33回日本死の臨床研究会年次大会(11月7~8日名古屋国際会議場)初日のメインテーマは〈ホスピスへの遠い道 その歴史と現在・未来~マザー・エイケンヘッドと岡村昭彦〉。日本のホスピス運動黎明期に「死の臨床の真髄は平等意識です」と語った岡村の〈人権としてのホスピス〉を検証するシンポジウム(パネラー米沢慧・細野容子・栗本藤基・二ノ坂保喜氏)の紹介もありました。
 この大会期間中に《岡村昭彦戦争報道写真展》と共に静岡県立大学岡村文書研究会や各地の岡村ゼミの展示参加など〈アキヒコのへや〉を企画検討中です。

 第一部講演会の参加者は74名。第2部懇親会38名。

佐藤健(さとうつよし)氏の略歴

愛知県豊橋市生まれ。1984年名古屋大学医学部卒。中津川市民病院、愛知厚生連昭和病院などを経て91年国立豊橋病院へ(97年~同外科医長)。2005年3月に国立病院機構豊橋医療センター開院に伴い同第1外科医長就任、4月に同医療センター緩和ケア病棟開棟により同病棟医長併任。現在、同医療センター緩和ケア部長・第1外科医長兼任。外科医として主にがん治療に携わる中で末期患者の症状コントロールにも取り組む。96年に「豊橋ホスピスを考える会」の運営に参加し、緩和ケア病棟の開設に尽力、実現した。現在も勤務の傍ら、医療関連団体、学校などでホスピス・緩和ケアに関する講演を行い、啓蒙活動を続ける。日本死の臨床研究会全国世話人、日本緩和医療学会代議員、生と死を考える会全国協議会運営委員、豊橋ホスピスを考える会会長などを務める(『緩和ケアでがんと共に生きる―ホスピスは「もう一つのあなたの家」』著者略歴より)
日 時 2009年3月21日(春分の日)
 第1部 講 演 会 14:00~16:30
 第2部 懇 親 会 17:00~18:30
場 所
 日本出版クラブ会館
●第一部講演会の様子
米沢氏
会場風景
開会の挨拶をする米沢慧世話人会場風景
比留間氏比留間氏
民族解放戦線ファット副議長の調査報告をする比留間氏比留間氏
佐藤健氏佐藤健氏
特別講演の佐藤健氏佐藤健氏
会場風景会場風景
会場風景会場風景

●懇親会の様子
玉木氏岡村氏
献杯をする玉木明氏岡村春彦氏と佐藤名月・春花さん
廣田氏増田氏
生前の岡村さんを語る廣田尚久氏静岡県立大附属図書館事務長の増田曜子氏
加清氏懇親会
昭彦兄について語る加清鍾氏懇親会風景
川中さん栗本氏
大和郡山市から参加の川中洋子さん滋賀里病院院長栗本藤基氏
横山氏
裁判官から弁護士へ大阪から参加の横山巌氏