会員のつぶやき
思いつくままに
佐藤純子
 今年も残すところ僅か、時代がめまぐるしく変わり、なんだか、置いてきぼりになりそう。テレビを見ても、新聞を読んでも、ラジオを聴いても、情報の、どれが本当なのか私にはわからないことが多く、どれが正しいのかと不安になります。
 狂牛病(BSE)牛海綿状脳症輸入肉を国産肉として売っていたスーパー、その店が「領収書なしでも返金します」としたら、並ぶ並ぶ人々、実際の売上の何倍もの返金、どっちもどっち、これが北海道内の店でのこと。どさんこ気質なのでしょうか?  内地では同じ方法で、トラブルなしだったとか。海に囲まれた日本、水際で防げたはずなのに、どうして? 拉致問題は絶対にないと言っていたのに、何人いるのか定かではない拉致された人たち、自分の娘がもし……と思うと、私には耐えられない。どうしてこんなことが? 不況の風が、やまないどころか強くなるばかり、どうにか耐えなければ。函館も北風が吹く毎日、当店のように地方の小さい書店には、つらい日々……。
 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』は、初版を買い切りにしたこともあり、当店にも入荷した。しかしお客様の多くは、この手の本は、大型店にしか入荷しないと思っていらっしゃる。現実、新刊は、なかなか入荷してこない、一度売り切れると、その後の注文はとても時間がかかる、お客様の「他の本屋さんに積んであったよ」のお声に心苦しい思いが。
 今年ベストセラーになった本『生き方上手』(ユーリーグ〔株〕)日野原重明著、『声に出して読みたい日本語』(草思社)齋藤孝著、『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス)池田香代子・再話、C・ダグラス・ラミス対訳。世界の人口を100人の村にたとえ、世界で起こっている様々な問題をわかりやすく説明している。インターネツトのチェーンメールで成長したお話。「ネットロア」という言葉も初めて知った。インターネツトを媒介として形作られた民話のことだそうだ。
 雑誌の付録には驚かされる。フィギュアが付く『デル・プラド』シリーズ(扶桑社)、宝石・鉱石が付く『トレジャーストーン』『ドールハウス』(デアゴスティーニ社)、講談社の『Style』創刊号には、イタリア製ストックキングが付録として付いた。折りたたみ傘が付いたこともある。その他の雑誌にもいろいろ付いてくる。バック、ティーシャツ、フリスビー、化粧品、グリコのおまけ、カンバッジ、靴の中敷、モー娘のシリーズ、カレンダー、少し前は、お正月の特別号と子供の雑誌だけだった付録。聞くところおまけパワーなのだそうだ。付録競争まだまだ続きそうです。
 『キッスキッスキッス』(小学館)渡辺淳一著、明治から大正・昭和へ、かつての文豪・才人たちが綴った熱情あふれる19通のラブレターを読んでみた。『きょうの健康』(NHK)「野道をゆけば」徳永進先生の連載が12月号で9回目となる、毎月たのしみに読んでいます。
 先日、日記を出版している出版社の方が来店されました。父・昭彦がこの店を手伝っている頃を知っている方でした。「東京の本社にも来られましたよ。社長にも会ったりして、なつかしいなぁ」と。父がこの店を手伝っていたのは1954年頃の少しの間、その頃は岩波書店の特約店でした。今も20年以上も前に、父が仕入れた本が在庫として棚に残っています。
 その頃では、時代が早すぎ、今、その本は、本として古すぎる。それでもたまーに、そんな本を、手にとっているお客様がいます。
 父がいた渡島当別のトラピストさんにも、今も、ご注文いただきお付き合いさせていただいています。「あきちゃん」と父のことを呼んでくださる高橋神父さん、父のことが記事になると切り抜いてとどけてくださるO先生、お電話での「なんも、なんも、いつもどうも」のお言葉がとても温かく、感謝しています。
 吹けば飛ぶような、こんなちっぽけな我が店(栄文堂書店)。いつまで続けていけるのか……。本当に一人では、何もできない。一人で生きているのではないことを、感じる今日この頃。どうぞ皆さんお体を大切に、日々過ごされますように。           (02/11/24 函館)