アキヒコと私
アキヒコと私
香川博司
 1969年代後半、岡村さんがベトナムを離れてビアフラ取材をしている時、三省堂発刊の『考える高校生』紙に連載記事を載せていた。
 内容は覚えていないが「アフリカで世界史のしっぽをつかんだ」という表現は今も心に残る。世界史の中での日本そして自分を考えよ・・・。あれ以来元号を使わなくなって30数年たつ。
 70年代、バングラデシュの農村で働いていた時、彼の「従軍記」を何度読み返したことか。アジアという歴史と現実に体ごとぶつかって取り組む彼の試行錯誤の姿が、現場で苦しむ私に無限の励ましを与えてくれたように思う。
 その後、岡村さんが写真報道からホスピス・精神医療・環境政策・主婦や看護婦さんとの学習会活動にまで展開していった過程は、彼の「世界史に参加する市民」づくりというミッションの形成過程であったことは体感できる。彼の頭の中ではもう世界史に参加する言葉が出来ていただろう。「目の前の君の現実が人間の新しい歴史だ、君はどう参加するか 学び続けよ!」
 私は、看護婦の歩みをはじめた直後癌でなくなった、亡き妻の母校のカトリック系女子校に彼の全集を寄贈した。後に続け・・・と願って。
 これからもいつも私の頭の片隅では、彼のいった<世界史の自分>という視座が生き続けていくと思う。   (2003/2/19)